誰しも褒められるのは嬉しいもの。
しかし、こんな経験はありませんか?
褒めてもらえるのは嬉しいんだけど、あんまり期待されるとしんどい。。。
あるいは
もっと褒めてもらいたい、もっと認めて欲しい!!
これはよくない褒められ方をした際に起こってしまう現象です。
褒めた側は良かれと思って褒めていたとしても間違った褒め方をしてしまうと、当の本人をむしろ辛くさせてしまいます。
これは自分が褒める立場になった時も同じです。
特に、自分に自信がない人ほど、自分を褒めるのがうまくないことが多くあります。
当たり前ですが、自分を褒めるのが苦手なので人を褒めるのも苦手です。
正しい褒め方をすると、他人はもちろん自分自身を動機づけ、目標達成を促すことができます。
現状にモヤモヤしている人は、
褒める技術を使うことで現状をより良くしていけます。
何かに悩んでいる友人や部下がいる人は、
正しく褒めることで相手が前進できるきっかけを作ってあげられます。
褒める技術によって人生が前向きになることは往往にしてあるんです。
この記事では、そんな一生使えるスキルである「褒め方」について、科学的な研究で明らかになった正しい褒め方の5つコツを紹介します。
もくじ
そもそもなぜ褒めるのか?
人を褒めるという行為には人それぞれになんらかの動機があります。
- 相手に良い人と見られたい
- 自己肯定感を高めてあげたい
- 喜んでほしい
- 慰めてあげたい
- やる気を出してほしい
相手を思いやるから動機から自己満足な動機まで様々ですが、『相手の感情や行動を動かしたい』というのが褒めるという行為の目的です。
つまり褒めるとは、人を動機付けるためのテクニックなわけですね。
その目的を理解した上で、褒めるという行為が与える影響について知ることが効果的に褒めるためには必要です。
褒める行為のメリット・デメリット
一般的には「褒める」という行為は良いことだとされています。
しかし、「褒め方によってはむしろ悪影響を与えることがある」ということを最初に知っていただきたいです。
褒めることのメリット
褒める行為は基本的には、人にプラスの影響を与えます。
相手の動機を高めることが褒めるという行為の一番のメリットです。
例えば、褒めることで相手に次のような良い影響を与えることができます。
- 自信がつく
- 前向きになる
- 自発的に行動するようになる
- やる気や意欲が湧く
多く場合は、このような状態になってほしいという親切心や思いやりの感情のもと他人(あるいは自分)を褒めます。
褒めることのデメリット
しかし、褒めることで相手を自分の思うようにコントロールしたかったり、表面的に良い感情を植え付けたい気持ちから褒める行為を行うと、次のような悪影響を与えてしまうことがあります。
- プレッシャーに感じてしまう
- 褒められることが目的(受け身)になってしまう
- 人より劣っていると感じてしまう
- 批判にされていると感じてしまう
- リスクに消極的になってしまう
あなたも褒められたことで嫌な気分になったことはありませんか?
くまたくん
この人皮肉を言ってきてるのか?
くまたくん
あぁ、、、そんなに褒められるようなことじゃないし、期待しないで欲しいなぁ
そう思ってしまうのは、褒めた側の褒め方に問題があることが多いです。
今回はその褒め方について科学的に正しい方法を紹介しますが、まずは褒める行為が悪い影響を与えるものでもあるということについて知っておくことが褒める側に必要だとお伝えしておきます。
慰めるために褒めるは危険!
自己中心的な意図で褒めることのデメリットが大きいことはわかったと思います。
しかし、そのような意図ではなく相手を元気付けたいなどの思いやりの気持ちで褒める行為をしても悪影響を及ぼすことがあります。
ペンたごん
特に!結果が出ない人に「あなたは頑張っているよ」と慰める褒め方は危険な褒め方です!
そもそも結果が出ていない時にネガティブな感情が湧くのは正常なことであり、必要なことです。
脳はネガティブな感情を取り除け!と行動を起こさせようとします。
言うなれば、ネガティブな感情は現状打破のためのガソリンなわけです。
慰めによって「今のままでも十分なんだ」と思い込ませるのは、結果が出てない人にとっては行動しなくていい理由を与えることになります。
一時的に気持ちが楽になりますが、ガソリンが抜けて行動しなくなっては問題解決に至るはずがありません。
ストレスでやけ食いしているのと一緒。
また、
悪い結果になっているのに「あなたが悪いんじゃない」と思わせることは相手の自発性を奪うことに繋がります。
人は自分で問題を解決することで、人生は自分の行動や努力によって変えることができるんだという感覚を得られます。
なので解決できていない問題に対して「あなたは十分頑張っている、あなたが悪いんじゃないよ」と一見優しくみえる声かけは、人生の舵を取ることを放棄させかねない危険な褒め方なんです。
このような、相手が問題解決できずに落ち込んでいる場合には、
- 問題を具体的に示すこと
- 問題を解決する力があると理解させること
が大切です。
例えば、
ペンたごん
今日1日くらいブログに打ち込めなかったからって気にしなくていいよ!
くまたくんは仕事の方で頑張ってるじゃないか!
というのは悪い例です。
ペンたごん
ブログが手付かずって聞いたけど、やるべきことが定まっていなかったことが原因かもしれないよ?
仕事ではきちんとスケジュールを確認して段取りできているから、ブログにもその段取りを応用してみたらどうかな??
1週間でどのくらい変わるか、ブログでやるべきことと取り組む時間についての段取りを一緒に考えてみない?
と伝えれば、相手に問題を具体的に示せて、なおかつそれを解決する力があると理解させることができます。
言葉は自分たちが考えている以上に相手の動機付けを左右することがわかっていただけましたか??
- 褒める目的は相手の感情や行動を動かすこと
- 褒めることのメリット・デメリットを自覚すべき
- 褒めることは想像以上の影響力を持っている
人を育てる褒め方5つのコツ
褒めることが時には人を元気付け、目標に向かって前向きに取り組む着火剤になり、時にはプレッシャーを与えたり自発性を奪う諸刃の剣であることを理解していただきました。
その上で、人の良い成果に対して褒めてプラスの効果をもたらすための科学的に正しい5つの鉄則を紹介します。
褒め方のコツ①:褒めるの本当に思ったことだけ
まず第一に、褒め言葉はむやみに使うべきではありません。
本心で思ったことでないと、いくら褒めても相手には伝わりません。
上っ面な褒め言葉には誠実さが宿らないからです。
誠実さが感じられる褒め方こそが相手に伝わる褒め方と言えます。
くまたくん
この人は本心で褒めてくれているんだ…!
と感じられてこそモチベーションが湧くよね
では、逆に不誠実に受け取られてしまう褒め方はどんなものだと思いますか?
誠実さに欠けると思われがちな2大表現は以下のようなものがあります。
- 過度な表現
- 一般的すぎる表現
例えば、
「すごい!めっちゃ可愛い!え、モデルさん?今まで会った中で一番可愛いよ!」
みたいな言われ方をされると嬉しく思う人もいるかもしれませんが、「チャラい」というか、誠実な人には見えないですよね?
本心で思ってた場合にはおそらくそれが読み取れるような態度が出ていると思いますが、こういう発言をする人は基本誰にでも言ってるのが伝わってきます。
また、
「くまたくんはいつもテキパキ働いてくれるね。理想の社員だね」
と言われて
「いつもテキパキしているわけではないと思うけど…いつもは動いていないねって皮肉が言いたいのかな?」
と反対の意味を想像してしまうことありますよね。
いくら褒め言葉であっても「何か裏がある?たくらんでる?」「気を遣ってなのか嘘で褒めてくれてるな」と感じてしまうようなものは相手のモチベーションをあげるどころかむしろ嫌な気分になる上に、褒め手を不誠実な人間だと感じさせてしまいます。
むやみに褒めることはせず、本心で思ったことを具体的に過不足なく伝えることが重要です。
- 悪い褒め方「(努力が十分ではない社員に)お、頑張ってるな!君には期待してるよ!肩の力抜きつつ、いつでも相談があれば言ってくれよ!」
- 良い褒め方「(努力が十分ではない社員に)なかなかこの案件に手がつけられていないみたいだな。けど、その中でもこの部分から手をつけているのは感心してるよ。ここは一番重要なところだから、大変だけどここが整理されるとあとがスムーズになる。期日まで残り少ないが折れずに頑張ってみてほしい。明日なら俺も手が空いてるから気軽に相談に来てくれ。いつも遅くまでありがとうな」
褒め方のコツ②:才能ではなく、行動を褒める
結論から言うと、ここのポイントは「相手がコントロールできる行動に注目する」ということです。
具体的には
- 努力してきたプロセス
- 効果的なアプローチ
- 高い意欲
- 粘り強さ
このような点を褒めることが有効です。
小学生を対象として研究で、簡単なテストを行わせた後、その結果に対して
半分の生徒には能力を褒める(「本当に頭がいいんだね」)
もう半分の生徒には努力を褒める(「一生懸命頑張ったんだね」)
その後に難しいテスト、そして再度最初と同じ簡単なテストを行いました。
すると、能力を褒められた小学生は難しいテストで自信と意欲を低下させ、最初と同じ簡単なテストで点数を落としてしまいました。
逆に努力を褒められた生徒は難しいテストを受けたことで、より努力が必要だと感じ、3回目のテストに一生懸命取り組み点数を伸ばしました。
この研究は才能や能力を褒めることがいけないと言っているのではなく、自分がコントロールできることに対して自信と動機を持つことの重要性を意味しています。
くまたくん
自分の才能を褒められて嬉しくない人はいないよね!
だけど目標を達成する、成果を出すという点では、才能以上に十分に計画することや効果的に努力することが大切なんだ!
例えばメジャーの大谷翔平選手も二刀流で活躍していますが、生まれ持った才能だけでそれがなし得たわけではないことをボクたちは分かっています。
粘り強く努力を続け、効果的なアプローチを取り続け、高い意欲を持って行動するからこそ結果は見えてきます。
ペンたごん
他人を褒める時に「何を」褒めるか?が理解できたかな?
早速今から使ってみてください!
- 悪い褒め方「さすがだな!お前は本当にできるやつだなぁ!」
- 良い褒め方「さすがだな!いつもコツコツ頑張ってきたからだな!努力が身になってるよ!」
褒め方のコツ③:人と比較しない
ポイント②「才能ではなく、行動を褒める」とつながります。
人は他人と比べられると、それを生まれ持った能力と同じように捉えてしまいます。
その結果、能力の有無に目がいってしまい、努力や忍耐力を軽視する結果に陥りがちです。
褒め方の鉄則として、比較するのは本人の現状と過去の実績です。
このことは「【自分を好きになりたい人向け】自分との向き合い方を解説!」でも解説しました。
【自分を好きになりたい人向け】自分との向き合い方を解説!
自分の成長に目を向けることで向上していくことの価値を感じられます。
そもそも人と比べた成果は表面的に見える簡単な結果ですが、結果に至るまでの努力は目に見えにくいものです。
それを考えれば、昔の自分よりも成長していることを褒めてくれる相手は、自分の努力を見てくれている人と言えます。
つまり、現状と過去の実績から相手を褒めることは「自分を見てくれている人がいるんだ」と相手に存在価値を感じさせることにも繋がるわけです。
- 悪い褒め方「チームの中で君が1番だな」
- 良い褒め方「このチームに入ってから本当に成長したな!」
褒め方のコツ④:相手の感情や選択を尊重する
ポイント②「才能ではなく、行動を褒める」と同じ「何を褒めるか?」がポイント④でお伝えすることになります。
だんだん分かってきたと思いますが、褒める時はとにかく何に目を向けてもらうかが重要です。
ポイント④のテーマは「自律性・自発性」です。
相手の意思や自発的な感覚を損ねないように褒めることが大切になってきます。
人は結果に対して称賛や報酬といった外部の評価基準に目を向けてしまうと成果をあげることにのみ意識を向けてしまいます。
すると、楽しみながら仕事や勉強に自発的に取り組んでいた人も、その主体的な感覚が失われ、逆に成果のために頑張らないといけないとプレッシャーを感じ、管理されている感覚になってしまいます。
なので褒める時は相手の感情や選択を認めることで、相手が自分の意思で行動を取ることを促すようにすると良いです。
- 悪い褒め方「すごい!このままの成績が維持できたら本当にすごいわよ!」
- 良い褒め方「すごい!勉強をとても楽しんでいるのが伝わって嬉しいわ」
褒め方のコツ⑤:現実的な目標基準と期待を伝える
褒めることには、相手のモチベーションを高めて良い成果を引き出す効果があります。
しかし、相手に自信を持ってほしいと願って伝えたことが裏目にでることもあります。
それはどういう時かというと、相手に実力以上のものを期待してしまった時です。
例えば運動が得意な子どもに対して「すごい!きっとオリンピック選手になれるよ!」と伝えたとします。
はじめは子どもも自分の才能を認められ嬉しい気持ちになりますが、このような期待の言葉を繰り返し聴いてしまうと「自分はオリンピック選手にならなきゃいけないんだ…!」とプレッシャーに感じてしまうことがあります。
目標達成のためにハードルを高く設定するのは大切です。
しかし、目標が現実的かどうかという視点も同じくらい大切です。
「難しいけど達成可能」なレベルの目標が効果的で、今回の場合なら「大きくなって高校大学と進んでもきっと運動部で活躍できるぞ!」と褒めてあげましょう。
そして、そのためには努力し続ける必要があることを伝えるのも言わずもがなです。
- 悪い褒め方「今日みたいなプレーができれば、きっとプロ野球選手になれるね!」
- 良い褒め方「今日はたくさんヒットが打てたね。次の試合でも活躍するには何を練習したらいいか一緒に考えようか!」
くまたくん
5つのポイントを見てきたけど、人を褒める時の言葉には配慮が必要なんだね。
ペンたごん
褒めるという行為自体はシンプルだけど、その影響力は非常に大きいよね。
褒め方ひとつで相手のやる気や思考まで変えてしまうという責任を自覚しよう!
- 本当に思ったことを伝えれば誠実さが伝わる
- 行動を褒めることで自信と動機が高まる
- 本人の現状と過去の実績を比べることで向上心が強くなる
- 感情や選択を認めることで自発的な行動が促される
- 現実的な目標と期待を伝えることでさらなる努力の意欲が湧く
おわりに
どんな人でも大なり小なり
「こうありたい!」
「こんなことを成し遂げたい!」
という理想があるものです。
その理想に向かって前進できている感覚に人は幸福を感じます。
今回紹介した褒め方のポイントを上手に使うことで、自分も他人も理想の目標に向かって前進させるモチベーションを高めることができます。
自分には人を幸せにできる能力も才能もないと思う人も中にはいると思いますが、まずは褒め方を学んで自分を褒めることを習慣にしてみてはいかがでしょうか?
馬鹿らしいと思いながらでいいのでチャレンジしてみてください。
こんな褒められ方したら嬉しいなぁというのを感じながら、だんだん他人を褒めるように努力していけば、大げさでもなんでもなくそれだけで人を幸せにする一助になりますよ。
今回紹介した内容は、科学が証明した褒め方なので「再現性」があります。
つまり多くの人に当てはまる効果のある方法ということです。
こういった人を幸せにする科学の知識がどんどんと広まるといいなぁと思います。
今回の人を動機づける意味で5つの褒め方のコツを紹介しましたが、「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」を参考にしました。
褒め方をはじめとする「モチベーションを高めて自分をコントロールする科学的な方法」がふんだんに盛り込まれた一冊になります。
読書や筋トレなどの新しい習慣を身につけたい人や
ダイエットで5キロ痩せたい!副業で稼ぎたい!といいった目標を達成したい人など
今の自分を少しでも前進させたい人に超オススメです。
科学的な研究を紹介する本は訳が難しく文章量も大き打て読むのが難しいのがほとんどですが、「やってのける 意志力を使わずに自分を動かす」は訳も上手で簡単な言葉で理解しやすく、文字量も少なくあっという間に読めてしまいます。
特に目次がキレイに整理されているのが個人的にありがたい。
読みたいところから読み始めて全く問題ありません。
くまたくん
今まで読んだ本の中でトップ5に入る良書でした!!
この本を読んで正しい知識を使って効果的に行動するか、根性や自分の潜在能力を信じてがむしゃらに頑張るかはあなた次第です!
そんじゃ、お疲れしたで!
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